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「次亜塩素酸水」と書いてあれば同じ?市販品の表示の読み方と選別のポイント

市販の次亜塩素酸水を買ったが効果を実感できなかった、という経験をお持ちの方は少なくありません。実は「次亜塩素酸水」という名前で売られている商品は、製法も規格も一様ではなく、表示されている濃度が実際と異なっていた例も公的機関の調査で報告されています。本記事では、市販品を選ぶときに何を見ればよいのかを整理します。

1. 同じ名前でも中身は同じではない

「次亜塩素酸水」と表示されていても、その中身は同じとは限りません。製法が複数あり、そのうち規格が定められているものと、定められていないものが同じ名前で流通しているためです。

国民生活センターは2020年12月、市販されている次亜塩素酸水について有効塩素濃度やpH、表示等を調べた結果を公表しています。この調査では、大手ショッピングモールで「次亜塩素酸水」と検索した際に上位に表示された商品や、ドラッグストア等で販売されていた商品から、物に対して使用できると記載されていた液体15銘柄が対象とされました。同じ検索結果に並んでいた商品の間でも、中身には差がありました。

つまり、名前だけを手がかりに選ぶと、意図したものとは違うものを買ってしまう可能性があります。見るべきは名前ではなく、その下に書かれている情報です。

2. 食品添加物の規格品と、雑貨として売られるもの

まず押さえたいのが、規格の有無です。規格が定められているのは、食品添加物(殺菌料)に指定されている「塩酸又は塩化ナトリウム水溶液を電解することにより得られる、次亜塩素酸を主成分とする水溶液」です。これは有効塩素濃度とpHによって、次のように分類されます。

種類有効塩素濃度pH
強酸性次亜塩素酸水20〜60mg/kg2.7以下
弱酸性次亜塩素酸水10〜60mg/kg2.7〜5.0
微酸性次亜塩素酸水10〜80mg/kg5.0〜6.5

一方で、次亜塩素酸ナトリウムを原料に、酸を加えたりイオン交換等をすることで酸性に調整したものも「次亜塩素酸水」として販売されています。国民生活センターの資料では、これらには規格や基準がないと説明されています。同じ棚に並んでいても、規格に沿って作られたものと、そうでないものが混在しているということです。

なお、「次亜塩素酸水」として販売されている商品の多くは医薬部外品や化粧品ではなく、物の除菌を目的としたものです。手指や口腔等、人体の消毒・殺菌に使用することはできません。

3. 2020年に何が問題になったのか

2020年前後には、表示と実際の中身が食い違う事例が相次いで問題になりました。

国民生活センターのテストでは、15銘柄のうち有効塩素濃度の表示がみられた14銘柄について、8銘柄が購入時期によっては有効塩素濃度が表示の9割以下になる場合があり、中には2割以下のものもあったと報告されています。また、pHの表示があった13銘柄のうち2銘柄で、テスト結果と表示値に1以上の差がみられました。さらに、15銘柄中5銘柄では、商品本体や取扱説明書等に有効塩素濃度に関する表示自体がみられませんでした。

同センターに寄せられた相談も少なくありません。新型コロナウイルスに関連した相談のうち「次亜塩素酸水」に関するものが2019年12月以降で498件寄せられ、そのうち312件(62.7%)は「安全・衛生」または「品質・機能」に関する相談だったとされています。

行政処分も行われています。消費者庁は2020年12月、次亜塩素酸水の販売事業者6名およびアルコールスプレーの販売事業者1社に対し、景品表示法に基づく措置命令を行いました。さらに2021年3月にも、次亜塩素酸水の販売事業者3社に対して措置命令が行われています。

これらは過去の出来事ですが、示している教訓は今も変わりません。パッケージに書かれた数字を鵜呑みにせず、何がどう書かれているかを読む必要がある、ということです。

4. ラベルで見るべき4項目

では実際に何を見ればよいのか。優先順位をつけると、次の4項目に絞られます。

確認項目見るべきポイント
有効塩素濃度数値が書かれているか。書かれていない商品は判断材料がない
pH(液性)数値または液性の区分が書かれているか
製造日・使用期限いつ作られたものか。表示濃度が「製造時」のものかどうか
用途物に使うものか。人体への使用を想定していないことを確認する

とりわけ注意したいのが3番目です。国民生活センターのテストでは、15銘柄中10銘柄に、有効塩素濃度の表示が「製造時」や「充填時」のものである旨の記載がありました。製造時の数値であれば、店頭に並び、購入され、使い始める頃には、それより低くなっている可能性があります。製造日が分かるかどうかは、実際の状態を推し量る重要な手がかりになります。

また、使い方に関する記載も確認してください。同テストでは、15銘柄中9銘柄に、対象となる物の汚れをあらかじめ落としてから使用する旨の表示がみられなかったと報告されています。有機物によって分解される旨の表示がみられたのは1銘柄のみでした。使い方の説明が不十分な商品は、正しく使うための情報が足りないということでもあります。

5. 買うたびに確認するより、作るほうが確実

ここまでの内容は、裏を返せば「買うたびに毎回これだけ確認しなければならない」ということでもあります。有効塩素濃度、pH、製造日、用途、使い方の説明。これを購入のたびに読み解き、さらに使い切るまでの期間まで管理するのは、続けるほど負担になります。

使用量が多い家庭や現場ほど、この負担は積み上がります。買い置きを増やせば保管中の低下を気にすることになり、こまめに買えば確認の回数が増えます。どちらにしても、手元にあるものが今どの状態なのかは、最後まで正確には分かりません。

次亜塩素酸水生成機は、必要なときに必要な量をその場で作れることと、生成される水の有効塩素濃度とpHが仕様として示されていることが実務上の利点です。買い置き分の状態を推し量る必要がなく、使う分を使うときに用意できます。ただし、生成機ごとに生成される水の種類、有効塩素濃度、pH、必要な原料、メンテナンス方法は異なります。使いたい用途に合う仕様かどうかを確認したうえでご検討ください。ご相談はお問い合わせフォームから承ります。

よくある誤解と正しい確認方法

市販品選びでよくある誤解は、「濃度が高いと書いてあるほど良い」「有名な店で売っているから確かだ」「開封していなければ濃度は変わらない」といった理解です。表示濃度が高くても、それが製造時の数値であれば手元の状態は別ですし、販売経路は中身の保証にはなりません。未開封であっても、光や保存状態、時間の経過によって分解は進みます。

確認の順序としては、まず有効塩素濃度とpHの表示があるかを見ます。次に、その数値がいつ時点のものか(製造時・充填時か)を確認します。そのうえで、製造日または使用期限から、どれくらい経過しているかを見積もります。最後に、用途と使い方の説明を読み、物に使うものであること、汚れを落としてから使う旨が書かれているかを確認してください。これらが揃っていない商品は、正しく使うための情報が不足していると考えるのが安全です。

導入検討時の実務チェック

  • 有効塩素濃度とpHの表示があるかを確認する
  • その数値が「製造時」「充填時」のものかどうかを確認する
  • 製造日または使用期限を確認し、使い切る期間を決める
  • 物に使うものか、人体への使用を想定していないかを確認する
  • 汚れを落としてから使う旨の説明があるかを確認する
  • 毎回の確認が負担になっていないか、購入と生成のどちらが運用に合うか比較する

共通注記

本記事は、次亜塩素酸水に関する公的機関の情報、公開資料、学術情報をもとに、衛生管理・除菌用途に関する一般情報として作成しています。特定の疾病の予防・治療、医療効果、人体への安全性を保証するものではありません。使用の際は、製品表示、濃度、pH、使用方法、対象物、各公的機関の最新情報をご確認ください。

参考情報

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