カーボンマイクロコイル(CMC)とは
1990年に岐阜大学 工学部 元島栖二教授らにより世界で初めて合成された新素材。
微量の硫黄化合物を含むアセチレンガスを熱分解して得られる。
マイクロメートルサイズのコイル状炭素繊維。
形状
二重らせん(右巻き、左巻き;一重も存在する)
寸法
繊維径: 0.01~1μm
コイル直径: 1~10μm
コイルピッチ: 0.01~1μm
組成
C (~98%)、H、O、S
物性
密度: 1.81~1.88g/cm3
表面積: 100~140m2/g
電気抵抗値: 0.1~10Ω・cm (バルク)
特徴
- 電磁波を99.9%共振的に吸収
- 10倍の伸張にも完全弾性変形
- 各種センサー機能(電磁波、微小変位、微小圧力、温度、ガス、その他)
CMCの製造原理
化学気相法(CVD法)による触媒活性化熱分解
炭素源 + 水素 + 微量不純物 → 金属触媒と加熱 → CMC
炭素源: アセチレン
金属触媒: ニッケル微粉末
微量不純物: 硫化水素
加熱温度: 700~800°C
CMCの用途
電磁波吸収材
- 携帯電話
- パソコン
- ITS
- ETC
- 電波暗室
メカトロニクス材料
- マイクロアクチュエーター
- マイクロサスペンション
エレクトロニクス材料
- エネルギー変換材料
- 電子線エミッター
- キャパシタ
- マイクロセンサー
- アンテナ
- 高周波フィルター
生物活性素子
- 化粧品
- 生物活性触媒
水素吸蔵材
- 燃料電池
- 水素貯蔵タンク
その他
- 高弾性パッキング
- マイクロフィルター
- 3次元強化材料